活動報告
Activity Report
2022年以降の活動報告
2011年~2022年の活動報告
2010年までの活動報告
公開シンポジウム 東洋から世界へつなぐ思想II(2008.8.30)
7月30日(水)、午後6時30分より2時間半にわたるシンポジウムは、いわき駅前のラトブの会議室Iにて満席の聴衆を迎えて実施されました。
シンポジウムのサブタイトルは「現代の難問を『法華経』と『論語』からひもとく」とし、基調講演では、学術博士で(財)東洋哲学研究所研究員の松岡幹夫氏の『法華経』を中心としたご講演をいただきました。なお、補足講演として、本学教授・東洋思想研究会会長の谷口典子が『論語』を中心とした講演を行いました。このシンポジウムの発端は、これまで私達は西洋文明による物質的恩恵をかぎりなく受けてきましたけれども、環境問題は今日、私達人類だけでなく、動植物にも、そして地球的規模においても、その生存にみるごとく、脅かしているのではないかという危機感からでした。東洋のもつ思想の中には「調和」や「中道又は中庸」という概念が強く存在しており、それらが自然および社会における「共生」と「和」につながっていました。
こうした東洋の思想を世界に発信することによって、現代の「いきづまり」を解消・緩和する一助としたいということから、今回は松岡氏をお迎えし、〈『法華経』にみる「調和」「自由」「智慧」〉というタイトルで講演を頂きました。
ご講演の概略を以下に掲載させていただきます。
- 「すべてを生かす力」としての仏教、から「無常」、「無我」、「縁起」、「慈悲」というキーワードをもとに、仏教の悟りについて話され、その精神は『法華経』の中に結実しているとされました。
- 「諸法実相」――生かしあう調和、においては差別と平等とは対立しない。そこにおける平等とは、差別を生かすことの平等であるということ、具体的には個性や境遇を輝かせる権利の平等であり、『法華経』の智慧は「すべてを生かす」ことを願っているものであると結ばれました。
- 「久遠実成――今、ここにある自由、では仏教的な「生かす力」としての自由、不自由すら生かせる自由について語られました。
- 方便力――智慧の力、においては菩薩は、一切衆生と共に悟りを得ようとして智慧をつかう、ということから「智慧の正義」へと進み、現在の「資源問題」に対しても、限定された諸条件の中で合理的な結論を出すことよりも、智慧の無限性を信ずることを『法華経』の教えの中から示され、今日的諸問題へのアプローチをされました。
公開シンポジウム 東洋から世界へつなぐ思想II(2008.8.30)
東日本国際大学 東洋思想研究会(のちに研究所に組織改編)の発足を記念して「東洋から世界へつなぐ思想 -儒学と仏教の視点から-」というテーマでシンポジウムを開催しました。 シンポジウムには80名を越える市民が参加されました。
東洋思想研究会発足のあいさつ
本学は孔子の教えに集約される儒学のエッセンスを建学の精神として、そのながい伝統を誇りとしています。本学に設置されている儒学文化研究所には博士号をもつ著名な教授達を揃えており、既に20年近く「論語」の勉強会を市民に広く提供してきております。
過年度の創価大学との視察交流をきっかけに、同じく東洋思想を代表する仏教についても学内に研究機運が盛り上がり、さしあたり有志教員により東洋思想研究会を発足させることになりました。
その発足記念として、12月5日午後7時より2時間にわたるシンポジウムは新設のいわき駅前のラトブのホールに満席の聴衆を迎えて実施されました。
基調講演で、谷口典子博士は、儒学も仏教もその思想の根幹に「和」のあることを力説、幕あけした21世紀が世界的に混迷を深めているいまこそ「共生」がキーワードとなること、そしてこれは孔子や釈迦の教えの根本であることを説かれました。
これに対して各パネリストやフロアの聴衆から多くの意見が寄せられました。詳しくは、当日のテープ録音から小冊子を作成する予定です。
沢山の自覚させられた課題に対しては、更に研究を進捗させる所存です。寒い夜にご来席賜りました各位に対して厚く感謝すると共に、定期的にこの発表会を催すことをお約束し、また私たちの研究会が学生や市民にも扉を開いていくことをお伝えする次第です。有り難うございました。
東日本国際大学名誉教授 石井英朗
本学の中国姉妹校訪問団が中国安徽大学を訪問しました(2010年3月17日)
まず、安徽大学・新キャンパスをご紹介します。
同大学は安徽省の合肥市に位置します。安徽省合肥市は中国有数の学園都市で、多くの大学を擁しています。安徽大学は1928年に創立され、一時閉校した時期もありましたが、1946年に再び開校しました。
中国の改革開放や現代化建設計画に伴い、現在、学校は歴史上最も発展の著しい時期に入っています。特に、中国政府の「211プロジェクト」に参加した後、より一層飛躍的な発展を遂げました。
2007年11月に大学は、政府の教育部の外部審査部門で高い評価を得ました。現在、国の「211プロジェクト」の第三期計画が推進中です。現在、教職員2557人、その中で、教員は1,477人、准教授以上の教員は約800人、中国科学院士及び特別招聘教授27名、国家傑出青年科学基金獲得者1名、「国家百千万人才計画」と「国家レベル貢献青年専門家」も4名います。総学生数が約3万人の安徽省最大の大学で、19学院、68学部の専攻は理工学、文学、歴史学、哲学、経済学、法学、管理学、教育学等9つの分野にわたる重点総合大学です。
本学とは2001年に姉妹校協定を結び、孔子祭や国際会議の積極的な参加など、友好的な交流関係を築いてきました。なお、田久前理事長は安徽大学の客員教授となっています。
安徽大学は現在4つのキャンパスと大学科学技術院を擁し、建築面積は約110万平方メートル、設備総額は3.55億人民元、図書館蔵書270万冊、電子図書112.4万冊、中国語・外国語の多種の刊行物9,000以上、中国語・外国語の電子刊行物は約16,000部あります。
安徽大学は国家公認の中国語教育基地と政府奨学金留学生受け入れ対象校の一つとなっています。世界84か所の大学と姉妹校関係を結んでおり、チリの聖トマス大学、ウクライナのハルカフ大学と協力し、孔子学院を設立しました。
建学の精神である「至誠至堅、博学篤行」の指導下、蛍雪の功の精神で、勉め励み、学校発展のために絶えず努力し、創立80周年の新しい歴史上に、「国際的知名度を誇り、国内では一流の研究水準たる大学」を目指して邁進しています。
2010年3月17日、本学の緑川副理事長が、安徽大学の国際交流担当で、副学長でもあられる牛立文博士(生物学)と会談しました。
安徽大学国際交流合作センターで姉妹校協定再(継続)調印式を執り行われました。
徽大学と記念品交換の一幕 。
調印式を終えた一行は、安徽大学新キャンパスの正門玄関で記念写真を撮りました
続いて、安徽大学歴史沿革展示室を見学しました。写真は安徽大学の校訓:至誠至堅、博学篤行(真心と決意を以て、博学に励み実行する)を表したものです。
見学中は、歴史学部のボランティア学生にガイドをしていただきました。
見学中は、歴史学部のボランティア学生にガイドをしていただきました。
見学後、緑川副理事長が来賓記念名簿に「行義以達其道」と揮毫しました。東日本国際大学と安徽大学の友好が確かである証となったことでしょう。
さらに、安徽大学・哲学学部にて挨拶を兼ねて研究会を行いました。なお、本学の田久孝翁前理事長は哲学学部の客員教授となっています。研究会では有意義な意見交換が多数行われました。
研究会の後、孔子像(香港孔教学院湯恩佳院長寄贈)の前で記念撮影しました。今回の訪問で、長い間の安徽大学との間で築かれてきた友好関係が確かなものであると確信し、この友好関係を礎に両大学の学生間の国際交流や学術研究における交流を、より一層前進させることを誓い、大学を後にしました。今後もこのような国際交流を積極的に進めたいと考えています。
創価大学への交流訪問と国際仏教学高等研究所への研究交流訪問をして
5月16日、新緑が爽やかに薫る創価大学キャンパス内にて、両校の交流会が持たれました。
学長他の出迎えを受け、学内外のさまざまな問題や、創価大学の教育、指導方針、学生の学びや生活など、多方面にわたっての懇談が和やかに行われました。
本学からは石井学長、緑川局長、谷口会長、中田研究員、松本研究員が出席しました。
学内における学生達の清々しい態度や、垣間見た授業態度などから、大学側のこまやかなご指導のほどを感じさせられました。キャリアセンターも案内していただき、その充実ぶりには感心すると同時に、そこで熱心に情報を収集している多くの学生達の姿にも感動し、エールを送りたい気持になりました。
最後に国際仏教学高等研究所を訪問し、研究に関する具体的な話し合いをさせて頂きました。東洋思想・哲学に対する真摯で深い研究には頭が下がる思いを持つとともに、大きな刺激を受けてきました。研究用の膨大な蔵書の収集及びそれらの整理には想像を絶する根気と時間とを要するものである上に、そこからさらに地道な研究をすすめ、数々の業績を積み重ねていることに驚き、本学の東洋思想研究会の力量不足を痛感させられました。これらは強烈なインパクトとなって研究員各自にせまり基礎力を高め、研究を深めていく覚悟が必要なことを教えられました。
これからは講演やシンポジウムを通して「東洋思想」というものをさらに広い視野から、包括的にとらえていけるよう、交流していくことを確認しあい、研究所をあとにしました。
本学の姉妹校・成均館大学校の提案で、日中韓の三ヶ国国際会議の準備として、中国山東大学を訪問。(2010年8月)
2010年8月、本学の姉妹校である韓国の成均館大学校より、日本・中国・韓国の三ヶ国国際会議の提案があり、この度中国の窓口となる中国山東大学を訪問しました。山東省は中国の東沿岸と黄河下流に位置し、現在中国経済の最も発達された沿海地域省の中の一つで、中国古代文化の主体になった済国・魯国文化の発祥地であります。中国古代の有名な思想家、教育家の孔子とその儒学が生まれたところでもあるので中国山東大学での儒学研究は中国一とも言えます。
中国山東大学
本学の訪問団(緑川浩司副理事長、松岡幹夫東洋思想研究所副所長、田村立波国際委員会長、松本優梨国際部長)は山東大学文史哲研究院を訪問し、学術交流協定に関する打合せを行いました。
山東大学の文史哲研究院の入口にある孔子像の前で記念撮影を行いました。
交流会には傅院長を始め、宋開玉副院長、巴金文書記、杜澤遜教授、西山尚志講師と記録係員や接客係員などが参加しました。
まずは、本学の緑川副理事長から挨拶、そして本学の歴史を始め建学の理念そして現在の目標など、そして同時代を歩んで来た両大学の共通点などを話しました。次は、傅院長より中国山東大学の歴史から始まる全般的な紹介があり、相互の理解を深めました。なお、本学の東洋思想研究所の松岡副所長からの本研究所の紹介を始めました。続いて、傅院長より文史哲研究院の紹介があり、本格的な訪問目的に進みました。具体的かつ詳細まで話が出来るほど両大学関係者は意気投合し、熱意のある討論が始まりました。
五日間の短い日程でしたが、このような交流が出来たことは、両大学の真心が伝わってからこそだと思われます。